ここぞ御殿場夏ならば

「日本唱歌集」(岩波文庫1958)をめくる。
数々の文部省唱歌とともに、民製の唱歌も多数。
なかでも


  汽笛一声新橋を
  はや我汽車は離れたり


で始まる「鉄道唱歌(東海道編)」
全六十六番の完成度の高さにうなる。
ちゃあんと汽車にのって、
窓を飛び去る景色にわくわくしながら
書いているのが伝わってくる。
たとえば十五番の冒頭、


  ここぞ御殿場夏ならば
  われも登山をこころみん


んー。いいなあ。
作者は大和田建樹。