きりんのようで 月が美し
NHK−BS「ニッポン全国短歌日和」。
投稿された短歌を6名の審査員がそれぞれ選び、
審査員同士で自分の推す作品を解説したり、相手の推す
作品を揶揄したり、が興味深い。で、投票を繰り返し
18首→9首→4首→2首→1首に絞り込んでゆく。
番組では早々に敗退したが、撰者の小島ゆかり姉が個人賞をあげていた歌。
黙(もだ)しつつ 歩めば君は 草原の きりんのようで 月が美し
背の高い、好きな人を見あげると、その肩越しに月が見えた。
ふだんは月の美しさなんて意識せずに過ごしていたのに。
特別な、宝物みたいな一瞬に、こころがふるえる。
恋とはなんて素敵な不思議なものでしょうーー。
フォーカスの切り替えと心の動きが、あああ、ほんとに美しい。
おれおれおれ、おれも好き!
東直子賞をもらっていた小学生の作品。
おおさかは なつには セミのなきどころ とってもあつい でん車にのるまで
東姉も言ってたけど「なきどころ」の「こめどころ」みたいな使い方がチャーミング!
たっぷりと 真水を抱きて しづもれる 昏き器を 近江と言へり
か。かっこいーーーーっ。