「警部にしてもらうべきだ」

東野圭吾「新参者」。
殺人事件の捜査の過程で、じぶんの家族の秘密を推し当てられた男が、加賀に敬服するシーン。


  「もう一つ質問です。加賀さん、あなたの警察での階級は?」
  「警部補ですが」
  「警部にしてもらうべきだ」そういって直弘は出口に向かった。




ぬはー。
しぶかわいい ほめ方だなあ。
おれも、これ、使ってみたいなあ。



「新参者」の舞台は日本橋人形町界隈。
人形町の2軒の書店前には昨日、ワゴンがでてて、出版社のハケンさん?が


  人形町を舞台にした小説「新参者」、本日発売です。
  どうぞお手にとって−−


だの、


  映画「容疑者Xの献身」の作者・東野圭吾さんが書いたー


だのと連呼。
店内の巨大平積みのそばでは客が


  「そういえば東野圭吾を前に人形焼きの店で見た」
  「声かければよかったじゃない」
  「確信がもてなくて」


みたいな話をしてた。
そうそう、写真で覚えた作家の顔って
動いてるところに出くわすと、なかなか確信にまでいたらないのよね。



「新参者」には、人形町界隈の店や通りがほんとにたくさんでてきて、
この瀬戸物屋はあの店がモデル、この煎餅店はあの店とあの店をまぜた感じ‥など、
いちいち思い当って楽しい。
町に残る江戸情緒や人情の機微もたいせつに描かれていて、
これは、界隈の家、3軒に1冊は買われましょうなあ(言い過ぎ?)。