俺たちは忘れ続ける

「今日もいい天気 原発事故編」。
事故から1年半後、一時帰宅者に同行して大熊町へ入った山本おさむが、
雑草だらけの町と化した景色を写真におさめながら、思う。


  今回の事故だけじゃない
  水俣病もあった
  スモンもあった
  薬害エイズもあった
  防げたかもしれない悲劇が
  何度も繰り返されてきた
  そしてそのたびになぜか
  僕たちは忘れてしまうのだ
  その人たちが死んでも忘れる
  病に苦しんでいても忘れる
  血を流していても忘れる
  俺たちは忘れ続ける
  見ないようにする
  今も忘れるという悪魔を
  退治できないでいる


ううう。
事故関係の本、
買うだけは買っても読まないこと、読みさすことが増えてゆく、おれ。


おりしも、
津波には耐えたもののついに立ち枯れた一本松を、
幹を分割し防腐処理をし、レプリカの枝をつけ、
ふたたび同じ場所に立てる1億5千万のプロジェクト完工間近の
ニュースを見る。
地元のひとたちのあいだでも
このプロジェクトへの評価は分かれているようなので
とくだんの感想は書かないけれど、


忘れまい。