諦めることは諦めて、
頚椎を損傷し首から下が動かなくなったヴォーカリスト、
奥野敦士さんの復活への物語「終わりのない歌」。
iPadの書道のソフトを使い、動かない中指だけで文字を書く。
最初は文字にならなかったが、だんだん文字になってきたときに
発見したこと。
文字は手で書くというよりも、脳が覚え書いているんだね。
iPadを使って、中指で文字を書いてみて驚いたのはそのまま
「自分の字」だったことだ。クセが怪我する前とまったく同じ。
ああ、俺は俺なんだな、って再確認したよ。
おお。
前著「いろいろあるさ 生きてっからね」に、
筆ペンのような文字で、
えーと、
たとえば
四ツ葉のクローバーを探すために
三ツ葉のクローバーを
たくさん踏み倒したことがある
その時思ったんだ
幸せってこんな風に
探すものじゃないなってね
と書かれたあとに、「あつし」の自署と落款が押されていて、
どういうことなんだろ、これペン持ちができないとアレだよなと不思議だったのだけど、
こういうことだったんだ。
その奥野さんが日課のツイ―トで
“俺が書いて、俺自身が救われた言葉があるんだ”という言葉。
「諦めることは諦めて、頑張るしかないでしょ」
「元通り」が無理なことはある。
しかし。
んだなすね。うむっ。