「この仕事したいんです」っていう感じが、
おとといの「ほぼ日」の「今日のダーリン」で
糸井重里さんが、めずらしく、自分のもともとのフィールドである
広告界に小言を呈していた。
曰く、電車の中吊りなどを眺めていて
事情も都合も知りませんけれど、
「この仕事したいんです」っていう感じが、
感じられないんだよなぁ。
と。そして、
その翌日の「今日のダーリン」。
そしたら、広告業界のなかにいる人たちから、
「ほんとうに、そう思うんだ」と賛成の意見をもらった。
「仕事をこなす」という感じで、いっぱいなんだって。
ふむむむ。
たしかに、電車に乗ったり駅構内を歩いても、
おおっ、とか、ううむう、とか、にへへへ、みたいな、
こちらの表情を変える表現に出会う打率はめっきり減った、気がする。
※
過去の表現に頼る広告も目につくこの頃。
11月3日の日経朝刊のオンワードの広告は、
1980年のメンズクラブ掲載の誌面写真から引き出し線を引いて、
ぼくと一緒に歳をとる服。
のキャッチコピー、とボディコピーをそのままトレース。
引きは、
あの頃よりも、
今のあなたの方が似合う
かもしれない。
と、
30年前のユーザーへのお帰りなさいアプローチに
しっかり着地させてはいるが。うーん。
※
1980年。コピーライターブームが始まったころ。
「ぼくと一緒に歳をとる服。」を
書いたのは、若き日の糸井氏だ。
(検索すると、糸井氏作詞の沢田研二「TOKIO」もこの年だった)