すでに人が歩いた道は選ばなくなりました。

CIRCUS 8月号の表紙を見て、


  誰も歩いていない道を歩きたい
  [女優]裕木奈江


この記事読みたいなあと購入したが、
ざんねん、出演した映画紹介がメインの
1ページのショートインタビューだった。
が。
表紙の文言をひらいた言葉、


  (前略)すでに人が歩いた道は選ばなくなりました。
  誰かが歩いた道にはすでにルールがあります。
  一方、まだ誰も歩いていない草ぼうぼうの土壌は、
  歩きづらくて大変だけど、他人のルールにゆだねなくてすむ。
  こちらの方がきつくても精神的にはいい。


これを読めたから、よしとしよう。



もう20年も前か、
裕木奈江が演じた役柄とデフォルトの泣きそう顔のイメージによる、
彼女への世のバッシングはすさまじいものがあった。
それでも自らを捨てることなく草ぼうぼうの中へと分け入って
こつこつとキャリアを積んでいったことに頭が下がる。


バッシングに負けて、バッシングを恨み続けている者に。そして
道なかばであきらめたことを、しがらみやらなにやらのせいにし続けているものに。
それを恨み続けてもしかたがないんだよ、
のこされた時間にできることはまだあるんじゃないかな、と、
インタビューページに掲載された写真で、
裕木奈江は、やっぱりどこか心細げな笑顔で問いかける。



んー。やっぱり長いインタビュー読みたいなあ。



裕木奈江の写真ブログをちらと見る。
6月のある日のエントリーに引かれていた、
宮沢賢治の詩の一節


  苦痛を享楽できる人はほんたうの詩人です。


今日のおらの思い入れに重なって、
勝手にさらにぐっとくる。