それは、人生をカラフルにする補聴器。

第50回「消費者のためになった広告コンクール」授賞式。
ことしの最高賞=経済産業大臣賞は、シーメンスの補聴器の広告。
ビジュアルはおしゃれした老人の横顔。その耳に、
服や口紅の色とコーディネイトした補聴器がついていて、


  それは、人生をカラフルにする補聴器。


のキャッチコピーがあしらわれている。
アプローチとしてはごくごくオーソドックスなものだ。
しかし、
受賞コメントでのCEOだか社長だったかの言---


  補聴器のイメージが悪く、皆、使うの恥ずかしいと思っていた。
  それを、おしゃれでカッコいいものと、考え方を変えたかった。(うろ記憶)


商品に新しい、強いメッセージがある場合、
表現はストレートなほど、効くのだ。



眼鏡は永くアクセサリーとして使われてきたけれど、
補聴器が恥ずかしいものだったのは、
おしゃれな補聴器がなかったことの前に、


老人が使うもの、という記号性が高い


ことが主因なはず。
眼鏡をこどもの時からかけるひとは多くても、
補聴器の若年ユーザーはほとんどいない。
だから補聴器が恥ずかしい問題に
根本的な解決がなされるのは
若い人もつかう商品が生まれたとき。
たとえば


周囲で聞こえる音を低減し、
遠い場所の音を粒だたせて聞かすライブ用補聴器 とか
逆に、うるさい工事現場で工事音をカットし
あいてと普通に話ができる補聴器 とか


おお、そんなのあったらいいじゃない。