ピンチで引くのは好きじゃない

海皇紀アルティメットガイド」。
若い編集者Оが、編集者Yと、川原正敏について話す。


  О 川原先生にお聞きした話に、いくつか印象深い話が
    あるんですよ。ひとつは「ピンチで引くのは好きじゃない」
    という話。
  Y 『海皇紀』には主人公がピンチに陥って、「ファン(注・主人公の名前)は
    どうするのか? ……以下次回」ってことがあまりないんですよ。
    たとえ絶体絶命のときでも、ファンは余裕の笑みを見せる。
  O 読者を不安にさせて、ひと月待たせることはほとんどない。
    ドキドキハラハラはいいとして、ネガティブな引きは
    したくないんですよ。どこかで上向きのベクトルを見せておきたい」と
    おっしゃってて。


おおおお。
そうだったかー。


  ピンチで引くのは好きじゃない


それは好みの問題ではなくて、
ファンを すごい男に見せつづけるための 覚悟の決めごと だよなあ。
ううっ。
かっこいい。



最終45巻。
ファンのライバルだったソルが、ファンについて語るとき


  「あの男を敵に回して勝つことはできない…
   ファンに勝ちたかったら味方になることだ…
   そうすれば一度は勝てる」と隻腕を上げて笑ったと云う


おおおお。
味方を信じきるファンの器の大きさと
ファンのために片腕を落としたことを誇りに、いや、あー
そんな分析はやめだやめだ。
おれ、この3行、もんのすごく好きだ。
がっごい゛ー。


■「解んなくたっていいんですよ、なんか凄いんだ!…が
  伝わればいいんですよ。逆に言えば!」
      (「海皇紀(45)」あとがき 編集者が言ったという言葉)
              そーだ!そーだ!