東京から新幹線に乗って仕事ですか?
フジ「NONFIX」で、
インドから44年ぶりに日本に戻ってきた仏教者・佐々井秀嶺のドキュメントをやっていた。
1956年にインドでヒンズー教の最下層の民、
不可触民(触れること見ることも不浄だという)50万人を
集団で仏教徒に改宗させたアンペードガル。
佐々井師は、アンペードガルの没後に、その志を引き継ぐような活動を続け、
2007年には1日で5000名を得度させたという。
番組は日本にいた2か月間に密着したのだが、
佐々井師が日本の習俗に触れての言動にハッとする。
初めて乗った新幹線。名古屋か大阪で大挙して降りる乗客を見て、
取材班に尋ねる。
この若い奴らはどこに行くんですか?−−仕事?
東京から新幹線に乗って仕事ですか?
日本は金がないと仕事できませんね。
原爆ドームの前で、写真撮影をしている教師と子供の中に入ろうとするも
教師に“いないこと”にされてしまう。
ハチ公前で僧衣で立っていてもだれも話しかけてこない。
そのことを後に
日本ではこどもが坊さんに寄ってこない。
(ハチ公前で)坊さんが立っていても合掌するひともいなければ
何のために来たかと聞くひともいない。
教育者が坊さんを害毒あつかい。
これが日本仏教の現実。
(※あちこちの発言の継ぎはぎ構成)
と語る。
たしかに、仏教さえもが“腫れもの”になってしまっているのは
まずいよなあと素朴に思う。
また、同じ仏教徒であっても宗派が違えばまるで交流しないことにも疑義を呈し
すべての宗派の高祖は(中略)立派なことをやっております。
(中略、すべての仏教者は)宗派の信者としても立派につとめ、
(中略)宗派を超えて団結して説くべきだ。
と言う。
たやすいことではないだろうが、
すべての宗教は かの方向を目指すべきよね。
※
番組中、週刊プレイボーイが佐々井師にインタビューしている様子が流れ、
その ぞんざいな質問ぶりにおどろく。が、
このスタンスでしか引き出せない言葉もあるんだよなあ。