基本的にノワールと虐待ものには近づかない。

北上次郎大森望の“書評漫才”『読むのが怖い!』。


  基本的にノワールと虐待ものには近づかない。
  人間の醜悪な欲望には直面したくないんだよ、俺。


など、書評家らしからぬ発言連発の北上が、
大森の薦めで20年前に書かれた大作『銀河英雄伝説』を読み、諸手を挙げて絶賛。


  (前略、三国志よりも面白いのは、つまり、)この中にも裏切り者が
  出てくるんだけれども、後味の悪さがないんですよ。非常に爽快感がある。
  なぜかって言うと、それぞれのトップが(中略)、公正な男だから。


おおっ。そういえば
『銀河〜』の作者・田中芳樹は、前に、DVDボックスの発売チラシで
自分の描く物語の要諦は


  敵ながらあっぱれ


だと言ってたなあ。


こんどなんかで一週間とか入院するときは
『銀河〜』を持ち込んでみようかしら。


※※
しかし、北上次郎
推薦作(編集部あるいは大森から出された“課題図書”)を
ちょいちょい途中で投げ出してるし、話はどんどん忘れてるし、
ずっと高く評価してた森絵都について


  (前略)直木賞獲ったらなんだか冷めちゃった。
  みんなのものになっちゃったなあって(笑)。


こどもみたいなこと言ってるし。ほっとするなあ。