おっちょこちょい

酒井順子「たのしい・わるくち」(文春文庫1999※単行本は1996)
小学校の卒業文集の女子のプロフィール欄に 短所 として最も多く書かれていた言葉は


  おっちょこちょい


で。これぞ、女子向きの最も無難な短所であるという。


  「すぐに人をきずつける」や「なにかにつけてお金をようきゅうする」と
  いった短所は、その元をただせば、大雑把に言って「悪」の部類に入ります。
  しかし「おっちょこちょい」は「悪」ではありません。基本は「善」だが、
  あわてたりうっかりしたりして、失敗をしてしまう、というもの。


ゆうべ「アニぱら」で先輩声優・野川さくらについて話す後輩が、
野川を「おっちょこちょい」といい、


  シーフードものはまったく食べられないことを忘れて
  シーフードスパゲティを注文し、
  結局つけあわせのサラダだけを食べていた。


と、その例を紹介していて。
おっちょこちょい は今も昔もキラーコンテンツなのだった。


※※
もとい「たのしい・わるくち」。
「人間の深層心理を書いた本だと思うな」と巻末で長嶋一茂が言ってるとおりの、
単なる悪口を超えた、抜群に楽しい本だった。
ですます文で かくされてはいるが、
身近なひとと自分への攻撃性(と受忍)は、
西原理恵子と五分ではないか?