「お待ちいたします」に使われている敬語を説明せよ

これまでの 尊敬語、謙譲語、丁寧語 の3分類を
尊敬語、謙譲語Ⅰ、謙譲語Ⅱ(丁重語)、丁寧語、美化語の 5分類に、と文化審議会。けど、


謙譲語Ⅰが 自分から相手への行為について相手を立ててのべる
謙譲語Ⅱが 自分の行為を相手に丁重に述べる


の違いが、日経読んでも朝日読んでもまるでわからない…。


だいたい、
謙譲語Ⅰ・Ⅱなんて分類、敬語の使い方を広めよういう立場の仕事とは思えないし、
「丁重」ってひくとフツーに「ていねい」って出てくる辞書だって多いんだから、
「丁重語」と「丁寧語」が別にあるのも分類としてどーかしら。きーっ。




…まあ、ちょい踏み込んで文化庁


http://www.bunka.go.jp/1kokugo/keigo_shouiinkai181002_siryou.html


の 資料2を読んでみると、腑分けのしかたとしては
たしかに、なるほどねー、だったのだけど
国語学会で もそっともんで、もっと
言葉がこなれてから下ろしてくれないかしら。


(無理に二文字でまとめようとするのが間違いで。
「○○型謙譲語」とか「対○○謙譲語」とか、しっかり性質がわかる括りにするべきか)


で、表題に戻って。先の資料にそって弁別すると、


「お待ちいたす」は、
「自分側から相手側または第三者に向かう行為について、その向かう先の人物を立てる」(※この部分が謙譲語Ⅰの「お待ちする」)
とともに、
「話や文章の相手に対して丁重に述べる」(※この部分が謙譲語Ⅱ成分の「いたす」)
という働きを持つ「謙譲語Ⅰ 兼 謙譲語Ⅱ」。
で、しっぽの「ます」は丁寧語。なので、
「お待ちいたします」は「謙譲語Ⅰ 兼 謙譲語Ⅱ+ 丁寧語」、ということに。


「近頃の若い者は敬語の使い方も満足に知らない」と言える大人はいなくなりそうだ。


※※
「丁重語」は「丁寧語」よりも「ていねい度」が高い感じがあって
そういう違いについても上記でふれられている。が、
「です」をより丁寧に言った「ございます」は丁重語ではなくやはり丁寧語だったりする。