災いに出会って 惨めになるだけ
日経に載っていた
阪神大震災のときに、昨年他界した内山田洋氏が贈ったという
幻の「そして神戸」の替え歌の一節。
その心映えは尊いが
(神戸 泣いてどうなるのか、に続けて)
元詞 捨てられた我が身が 惨めになるだけ
↓
替え歌 災いに出会って 惨めになるだけ
元詞 夢の続き 見せてくれる 相手探すのよ
↓
替え歌 あしたの夢 見せてくれる あなた探すのよ
は、どうだろう。元歌がもともと
“捨てられた女が、自立ではなく、次の男で埋め合わそう”
とする暗いトーンだけに、
元詞をもじってつくった部分がどうにも
震災から立ち直ろう、という詞の方向を
恨みとか嘆きのトーンへひっぱってしまう。
あなた探すのよ、はないだろう。
そもそも。
知られざる震災美談、にまとめているけれど、
他のコンサートが進んでいたり業界のしがらみ著作権の問題があって披露がかなわなかった。
連絡は疎遠になり披露話も立ち消えになり、贈られた側は録音テープの存在も忘れていた。
というこれは、そんないい話ではないのではないかな。
テープの存在さえ忘れていた贈られた側も失礼だし。
贈った側も作詞者に無断で詞をはめかえてるし。
昨年紅白の前川清+クールファイブの一夜限りの再結成を見て
「そういえば…」な話をひきだしてきた感も、なあ。
底意地の悪いおれもおれだが。