さあ取るか!
長患いの父を見舞う。
嚥下が困難になり、気管に入るとよくないらしく水物も与えられず。
どうしても渇きに耐えられなくなったときに、
とろみをつけた麦茶とかリポビタンDとかを3、4匙、
看護士さんにふくませてもらう、のだが。
その前にまず口の中を何分もかけてきれいに清拭。
しかるのちまた何分もかけて とろリポDをふくませてもらい、
おいしかった?と問われ父がうなずいた瞬間
看護士さん「さあ取るか!」
父「あ、もう?(泣)」
でもって、すかさずホース状のバキューム機で
口から ずぞぞぞぞ ずぞぞぞぞ
鼻の穴からまた ずぞぞぞぞ ずぞぞぞぞ
と、飲み込んだはずのリポDを 4、5分かけて吸い取られるのだった。
なんというか。
完全にコントじゃないか。
緊張・悲壮の場には、笑いもまた生まれ易いのだとあらためて思った。
看護士さんに、多謝。