今日はお刺身買おう、

陽だまりの彼女」。
いま住んでいる部屋について気に入っている理由を、
浩介が、口ごもりながらも
「ん、まあ、なによりその、真緒がいるから」言うと、
ふだんは倹約家の彼女、どん、と体をぶつけて、


  「今日はお刺身買おう、お刺身。高いやつ」


わははは。
と、
でくわしたときは単純に笑っただけだったけれど、


最後まで読み終えてからこういうところをめくり返すと、
たんなるバカップルのかわいさ以上のかわいらしさが、ひたひたと。


解説文には
この小説はハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか
ひとによって感じ方はちがうのでは、とあったけれど、
や、これはべったべたのハッピーエンドでしょうよ。