角打ち

小さな店がなくなって、気づくとそこが
立ち飲みの居酒屋になっていることが、立て続けにあり、
ふと思う。
酒屋の一角で、店にある酒とつまみで飲ませてくれる。
あの様式に妙にあこがれた時期があったなあと。


  角打ち(かくうち)


と先人に教わった。そして、その「角」は、升酒の升のことだと。
検索。




わはは。
北九州角打ち文化研究会なる団体が、「ザ・かくうち」なるHPを開いているではないか。
それによると角打ちとは


  「日本国語大辞典」(小学館)には、「酒を升にはいったまま飲むこと」。
  方言として、「升で酒を飲むこと、酒屋の店頭で酒を飲むこと、金銭を
  出し集めて宴をすること」とある。


  北九州では、「酒屋の店頭で酒を飲むこと」を「角打ち」と言う。もともと、
  秤り売り用の酒を、升を借りて縁に乗せた塩をアテに、その場で立ち飲み
  していたものであろう。


  東北では、「もっきり」とも。


おお、そうそう。もっきり=盛り切りだ。


ああしかし、それにつけても「立ち飲み」の味気なさよ。



きのう、ふとん店にざぶとんを買いにいったら、
ふとん店がなくなっていた。
いかにも下町のいい店だったのになあ。さびしい。




ここまでを読み返し
日本国語大辞典」の語釈「酒を升にはいったまま飲むこと」に
うすい違和感を感じてハッとする。
そうなんだ、おれは「升」を、量を測るものではなく、
単なる「酒器」として認識してたのだなあ…。