角打ち
小さな店がなくなって、気づくとそこが
立ち飲みの居酒屋になっていることが、立て続けにあり、
ふと思う。
酒屋の一角で、店にある酒とつまみで飲ませてくれる。
あの様式に妙にあこがれた時期があったなあと。
角打ち(かくうち)
と先人に教わった。そして、その「角」は、升酒の升のことだと。
検索。
わはは。
北九州角打ち文化研究会なる団体が、「ザ・かくうち」なるHPを開いているではないか。
それによると角打ちとは
「日本国語大辞典」(小学館)には、「酒を升にはいったまま飲むこと」。
方言として、「升で酒を飲むこと、酒屋の店頭で酒を飲むこと、金銭を
出し集めて宴をすること」とある。
北九州では、「酒屋の店頭で酒を飲むこと」を「角打ち」と言う。もともと、
秤り売り用の酒を、升を借りて縁に乗せた塩をアテに、その場で立ち飲み
していたものであろう。
東北では、「もっきり」とも。
おお、そうそう。もっきり=盛り切りだ。
ああしかし、それにつけても「立ち飲み」の味気なさよ。
※
きのう、ふとん店にざぶとんを買いにいったら、
ふとん店がなくなっていた。
いかにも下町のいい店だったのになあ。さびしい。
※
ここまでを読み返し
「日本国語大辞典」の語釈「酒を升にはいったまま飲むこと」に
うすい違和感を感じてハッとする。
そうなんだ、おれは「升」を、量を測るものではなく、
単なる「酒器」として認識してたのだなあ…。