うち 知ってんねん

詩人の島田陽子さんが18日になくなられたと、けさの新聞で知る。
学生のときに読んだ、大阪弁でかかれたこども詩集「ほんまにほんま」の
素晴らしさったら、もう。もう。
ああ、密林化がすすむ部屋から詩集がでてこない。ので、
小学校の教科書に掲載されている作品の
冒頭ブロックのみ引きうつしてみる。


  うち 知ってんねん
                島田陽子

  あの子 かなわんねん
  かくれてて おどかしやるし
  そうじは なまけやるし
  わるさばっかし しやんねん
  そやけど
  よわい子ォには やさしいねん
  うち 知ってんねん


うん。うん。やっぱりいいなあ。



4年ほど前に大阪でインタビューをさせていただいた。
島田さんは大阪万博の「世界の国からこんにちは」をかかれたかただ。
インタビューの帰り、ここから近いからと寄り道して、
太陽の塔を遠くに見せてくださった。
以来、主宰している同人誌「詩と童謡 ぎんなん」を
ずっとおくってくださった。
つい10日前ほどに届いた最新号には、
もう、今回の震災を主題にした詩を寄せている。


  こわれたもの   
           島田陽子


  テレビのむこう
  ヘリコプターから
  大型消防車から
  なんども なんども水をかけて
  わたしたちの不安を
  消そうとしているひとたち
  

  こわれたものは
  いつか なおる
  ひとも
  きつと げんきになる


  でも
  おおきなものよ
  すべてをこわしたものよ
  二度と げんきにならないで




島田さんは、
さいごまで こどもたちのために祈りつづけた。


ありがとうございました。