うち 知ってんねん
詩人の島田陽子さんが18日になくなられたと、けさの新聞で知る。
学生のときに読んだ、大阪弁でかかれたこども詩集「ほんまにほんま」の
素晴らしさったら、もう。もう。
ああ、密林化がすすむ部屋から詩集がでてこない。ので、
小学校の教科書に掲載されている作品の
冒頭ブロックのみ引きうつしてみる。
うち 知ってんねん
島田陽子
あの子 かなわんねん
かくれてて おどかしやるし
そうじは なまけやるし
わるさばっかし しやんねん
そやけど
よわい子ォには やさしいねん
うち 知ってんねん
うん。うん。やっぱりいいなあ。
※
4年ほど前に大阪でインタビューをさせていただいた。
島田さんは大阪万博の「世界の国からこんにちは」をかかれたかただ。
インタビューの帰り、ここから近いからと寄り道して、
太陽の塔を遠くに見せてくださった。
以来、主宰している同人誌「詩と童謡 ぎんなん」を
ずっとおくってくださった。
つい10日前ほどに届いた最新号には、
もう、今回の震災を主題にした詩を寄せている。
こわれたもの
島田陽子
テレビのむこう
ヘリコプターから
大型消防車から
なんども なんども水をかけて
わたしたちの不安を
消そうとしているひとたち
こわれたものは
いつか なおる
ひとも
きつと げんきになる
でも
おおきなものよ
すべてをこわしたものよ
二度と げんきにならないで
島田さんは、
さいごまで こどもたちのために祈りつづけた。
ありがとうございました。