“人間失格”よりいいと思います、はるかに

先日NHKでやってた「太宰治“斜陽”への旅」の、録画をようやく。
小説「斜陽」のモデルである太宰治の愛人・太田静子。の娘、治子が、
太宰の生家「斜陽館」を訪れる。
そこで同行したプロデューサーに
“斜陽”という言葉は好きですか?と尋ねられ、やや考え。
小さくうなずき、ほほえんで言う。


  “人間失格”よりいいと思います、はるかに。
  (斜陽は)斜めですから、太陽がね−−
   ちょっと寂しいですけれど まだまだ明るいわけですから。


太宰の血を思わせる諧謔と。
太宰の遺志をうけ、強く生きたという静子の人生と。
彼女が、それをながく見つめ、受け入れてきた者であること。
そんな諸相を一瞬に感じたひとことでした。