始まって、終わってしまうのだ。

陸上男子400mリレー、トラック男子史上初の銅メダル。
うれしいので、今回走った選手たちのノンフィクション
『夏から夏へ』をまたひっぱりだす。
著者佐藤多佳子が大阪陸上で競技を観戦する直前の思い。


  もう始まって、すぐに終わってしまうのだ。
  すごくすごく大きなレースなのに、スタートしたら、
  40秒かからずに終わってしまう。もう、始まってしまうのだ。
  始まって、終わってしまうのだ。ああ、どうしようーー?




うはははは。
その感じ、今回の4継決勝のTV観戦で追体験しました。


佐藤がひとりひとりに、“スプリンターとしての武器、強さ”を聞いている。


  塚原 お調子者なんですよ。いい時はいいし。


うんうん。中学時代有名なゴタ(やんちゃもの)だった
お調子者らしさを前面に、1走として見事にとびだした。


  末続 人よりも強く不安を感じられることですかね。


「自分に期待をしてるわけでしょ。だから不安なわけですよ」
答えは、そう続く。
スタート前、他の選手が軽いランをする中で
コースに座り込み、目を閉じていた姿を思い出す。


  高平 いいリズム。走る中でのリズム。


並みいる強豪にもまれて走る。こわいだろうなあ。
いや、その3走勢の中でも、きわだって美しかったっす。


  朝原 あー、何でしょうね。まあ、経験は
     結構大きいかなと思いますね


4度目の五輪。こんな幸せな経験が、最後の最後に待っているなんてっ。
おめでとうございます。




あー、たのしかったっ。