なぎさボーイ 多恵子ガール

氷室冴子さんがなくなった。
彼女の作品といえば、
訃報で紹介されていた「なんて素敵にジャパネスク」「海がきこえる」よりも、
おいらが そらもう、ほんとうにほんとうに好きだったのが
「なぎさボーイ」と、同じ話を なぎさくんの彼女の立場から書いた「多恵子ガール」だ。
ああ、タイトルも 今なお古びてないじゃないか!


集英社文庫コバルトシリーズは、
創刊された当初は、えーと、


そうそう、


島健夫や佐藤愛子川上宗薫など、
“大人の小説を書く人が下りてきて”書いてくれてるような
ラインナップが多かったけど、
(いや、富島健夫の「心に王冠を」は恥ずかしいくらい好きだった!)
彼女の登場は、同時代の少女小説の登場だった。
(と、えらぶってはみたが、わりと後から知ったのだったな、おれ。)


※※
「なぎさボーイ」「多恵子ガール」は、実は4部作構想で、
何年かして「北里マドンナ」が出て、
そして最後の4つめが、ついに出ぬままに。さびしい。


ご冥福を お祈りします。