だったら「娘」じゃないわね
オノ・ナツメ『リストランテ・パラディーゾ』(2006 太田出版)。
親を訪ねてきた娘と、母の会話。
母 何しに来たのよアンター!
娘 あんたの旦那にバラしによ
ほんとはあんたがバツイチで21になる娘がいるって事を
母 …… 絶対にダメよっ
娘 あんたの意見なんて関係ない
母 親の云う事聞きなさい
娘 あんたの事 親だなんて思った事ない
母 だったら(あなたは私の)「娘」じゃないわね
娘 (ジロリ)
みごとな応酬だ。
※※
『リストランテ〜』の外伝『GENTE(1)』(2007)では、
正編の物語が始まる前、かのリストランテに
いかにして老眼鏡紳士たちが集ったかを描いた第一話が楽しい。
『七人の侍』やら、『おはようKジロー』やら、
ひとかどの人物が揃っていく場面は、わくわくする。その、
わくわくする理由の“ウラ説明”が、今週のSPA!にあった。
物語がオチに向かって収束していくのが見えた瞬間、
持っていた運動性のようなものがなくなったりするのが、
創作上のジレンマだったりする。(本谷有希子が「SPA!(080122)」で)
人物が揃うのは 運動性をぞんぶんに発揮できるパート、だものなあ。
もとい。
三冊目にしてついにオノ・ナツメが楽しめるようになった。しめしめ。
ほかのも買ってこよっと。