僕…… 藤吉先生ほど立派にはなれませんけれど、

医龍を13巻までまとめて読む。
研修医・伊集院の“ゆきつもどりつ”の成長譚、
七人の侍の、団ができあがるプロセスの面白さ
白い巨塔?の権力闘争劇
がバランスよく進行し、話がこなれてから
7巻で“ダメ麻酔医”荒瀬が加わるくだりまで、圧巻。


昏睡状態が何ヶ月も続く患者の病室に残される伊集院。
伊集院は、その、何も反応しない患者に「マスクをずらしますよ」
「手ェ冷えてませんか」と呼びかけ、手をふれ、最後に誓う、


  僕…… 藤吉先生ほど立派にはなれませんけれど、
  ――でも、荒瀬先生のようにダメにも、なりませんから……!!


くうぅ。理想はあるが保身も考える、至極平均的な人格の伊集院の
“せいいっぱい”は、せつない。